The World's End
2013/07/29
サイモン・ペグとニック・フロスト
最強コンビのコルネット三部作の
最新作を観る
3作目で初めて
全2作から繰り返される
パターンの意味を知って
笑うことの意味が
全く変わってしまって
なんとも空恐ろしい作品に思えた
到達すべきなのかどうなのか
そんな問いは棚に上げて
映画は「終わり」に向けて、躊躇なく突き進む
繰り返すこと、引用すること
模倣すること、創造すること
ものづくりそのものを
笑いとばしながら
ものを作る
そりゃあ世界の終わりにもなるというものだ
消息
2013/07/25
一年近く消息のなかった
シリアの友人とチャットで話した
無事に生きている
状況は少し良くなり
今は学校で教えていて
一ヶ月したら父親になる
ニュースで知らされる世界や
ネットで語られる世界ではない場所で
彼と再開できる日が
一日も早くやって来ると
いいなと思う
The Audience
2013/06/14
ヘレン・ミレンがエリザベス2世を演じる
The Audience を観る
8人の英国首相と一人の女王のダイアローグ
長い時間の流れの中で
女王という一人の人間、一つの国、様々な感情
そして首相との対話を通して
浮かび上がるイギリスの姿
演出はスティーブン・ダルドリー
女王も一人の人間であり
好きも嫌いもある
妥協もあれば打算もある
共感できることも出来ないこともある
その上で、英国の
女王として君臨しているのだ
人のありかたと同じごとき
国のありかた
論理的、合理的、効率的な
答えを急がないことが
答えになることもあるのだ
魔法の言葉
2013/04/17
Danny Boyle の新作
Tranceを観た
ヒッチコックの「白い恐怖」を
少し思い出す
催眠療法で何処かに連れて行かれた
あの主人公のように
スクリーンを見る僕も
何処かに連れて行かれていた
その一言で世界のありようが変わる
魔法の言葉
魔法が効いているときは
誰も魔法のことを語らない
Mind the gap
2013/04/14
広い溝を飛び越えるには
体力が必要だけれど
深い溝を飛び越えるには
別の強さが必要だ
その深淵を覗き込む強さと
深さに引き込まれずに
飛び越える強さ
絶望は
広さゆえではなくて
深さゆえだと気がつく
もらう、あげる、つくる
2013/04/06
すべてのものは何か他のものと
交換可能だろうか
お金で買えないものは
ほとんどないという世界は
お金によってしか
何かを得ることが出来ない世界と
いうことだろうか
身の回りのすべてのものが
お金というものを介さずに
もらう、あげる、つくる
だけで成り立っていた
かつての世界を今に想像してみる
それはなかなか悪くないと思う
モースの贈与論を読みながら
一時間
2013/03/31
遅々として進まないエッセイを書くため
夜遅くまで起きていると
朝の小鳥のさえずりが聞こえてくる時刻が
昨日は3時半だったのが今日は4時半に
小鳥は時計を見ていない
今日からサマータイムが始まったのだった
一時間損した気分
締め切りは迫ってくる
イースターの朝
Caesar must die
2013/03/22
グラスゴーの古い映画館で
簡潔に、深く、重く
演劇と映画と現実を行き来する
アートの持つ力を伝える映画を観た
生きるべきではなかった過去を
現実に背負った囚人たちが
芝居という別の時間を生きる
そしてまた新たな現実は生まれ
幾重にも重なる世界の深さに
救われる気がする