GOOD and EVIL
2021/05/19
良きことだ思っていることが
立場や時間をまたぐと
簡単に悪しきことに翻ってしまう世の中だから
これは、誰にとって、今は、未来も、
良きことなのだろうか
そんなことを考え続けなければならない
議論
2021/05/10
賛成と反対の間の
どこかにある落とし所を
探っていくことが
議論であって
勝ち負けのゲームでは
分断は深まり
その構造は強化されてゆくばかり
そんなものは議論と呼べないのに
さよなら全ての
2021/04/29
四半世紀を経て見終えた作品は
はじめてとても「いびつ」に見えた
終わらないことの幸せと
終わることの幸せ
参照と破壊で創造されたポストモダンが
いつしか自分の尻尾を咥えていたことに気がつく
そして円環が閉じるという
一つの終わり方
多数対少数
2021/04/23
多数決で物事を決めることと
多数意見で少数意見を圧殺することは
全く同義ではない
Nomadland
2021/04/21
どこかにあるはずだと
どこにもないものを探すことが
いつか目的になってしまう前に
今この場所こそが
行き着いたところであり
未来はその連続体なのだ
命の終わりに向かって進むということは
その瞬間瞬間を生きて行くことに他ならない
春と修羅
2021/04/03
言葉は思考に
表出の自由を与えているのだろうか
それとも
枷を嵌めているのだろうか
私が自分を変えられないように
世界もまた変わらない
それでも
今年も春は来て
修羅の中でじっと
バグみたいなものを
待っている
Decades
2021/03/11
10年がすぎるうちに
いくつかの国のいくつかの街に移り住み
今は山奥にひっそり暮らしている
明日は何をしようとか
春がきたら何をしようとか
そんなことは思い浮かぶのだけれど
10年経ったらどうしようとは
あまり頭に浮かんでこない
けれど、今日は少しだけ10年後のことを考えた
今、やっていること
今、手にしているもの
そして10年たったら20年前のことを想うのだ
パッシブな一年
2021/02/28
あれから大きく状況は変わらないまま
一年以上が過ぎた
環境の変化にアクティブに対応するのは難しい
負荷を軽減するために
別の負荷が生み出される
負荷の総量はいつまでも減じることはないのだろうか
出番
2021/02/23
1999年のレンジローバーは
走行距離が22万キロを超えて
まだなお、雪の中に佇んで
次の出番を待っている
あちこち傷んで
弱くなっているとこもあるけれど
エンジンはぶるるんと
いい音で鳴るのだ