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March 2013

February 2013

January 2013

House of Terror

2013/02/22

人が人に対して
酷い行いを為す
私も、彼も、彼女も同じ人なのだけれど

社会というのは
長い時間をかけてあまたの人の手で作られた
人が人を助ける仕組みでもあり
人が人に強いる仕組みでもある

今はもうこの世にいない
加害者と被害者の
写真と名前が並ぶ
ブダペストのHouse of Terror は
未来の為に超えてゆかなければならない
大きな何かを突きつけられる博物館

xerxes

2013/02/21

古代ペルシャを舞台にした
ヘンデルのオペラが
ポップアートやブレイクダンスで彩られる
とても興味深い演出だった

王様自らが抱く愛のために
その力は純粋化されて
周りで画策する者達によって
権力構造の醜さが浮き上がる

そして思いを強圧することよりも
愛されることの受容が
導く大団円

今までに訪れた中で一番豪勢と感じた
ハンガリー国立オペラ劇場の
見事なルネッサンス建築と装飾を
かえってミスマッチと感じる面白さ

かつてユーゴスラビアという国があった

2013/02/20

ユーゴスラビア歴史博物館と
チトー記念霊廟を訪れる

かつてユーゴスラビアという国があった
チトーとともに潰えた夢

夜は国立劇場でカルメンを観る

最愛の人の命を奪うしか残されなかった
ホセの通った道

暴力は予期しないところから
突然に現れる

Kalenić Market

2013/02/19

世界標準のはずの
マクドナルドで売っている
ハンバーガーのパティでさえ
この国では国産の美味しい肉を
使っていると聞いた

豊かさな食べ物の並ぶ
ベオグラードの市場を歩きながら
どれも飛行機で持って帰れそうにない
だからこその
豊かさを実感するのだった

浅い眠り

2013/02/18

制圧され、反抗し
奪い、奪われ
植民地化と内紛の
長い歴史の後の
台風の目のような
静かな瞬間のこの場所にいる

動かない鉄の塊を見ながら
恐ろしい怪物が
いつまでも眠っていて欲しいと願う

モスタル 修復された町

2013/02/17

破壊された街は2004年に修復され
落ちた橋も以前の姿に戻る

サラエボのいたる所でみかけた
外壁に残る銃弾の跡は
この街ではあまり見ることが出来ない

水路や川を流れる水の音
エメラルドグリーンの水の色
空を飛ぶ水鳥と鵲
並んで見えるモスクと教会の塔

敵の敵の味方同士の仲違い
目の前にある憎しみと
終わりのない争いの連鎖

命を隔てるのも
命を繋ぐのも
橋ではなくて人なのだ

サラエボのトンネル

2013/02/16

このトンネルの向こうから来て
生き存えた人
このトンネルの向こうに行って
命を失った人
このトンネルの側で
哀しむしかなかった人

今ではトンネルの先は埋められて
その上の滑走路を
国際線の旅客機が離着陸している

サラエボ

2013/02/15

100年ほど前に
皇帝の世継ぎを載せた車は
なぜかこの角を曲がり
群衆の中、彼の目前を過ぎようとした

引き金を引いた彼は
少し慌てていたかもしれない
けれども、確実に
銃声はいつも始まりを告げ
終わりを告げることはない

Jiro Dreams of Sushi

2013/02/08

他所では決して真似の出来ない
素晴らしい日本が
とても嬉しかった

スコットランドでも
あたりまえのように
スーパーで売っているし
歩いて2分の近所にも 'Sushi' を出す店がある

こんなに遠く隔たった国なのに
誰もが 'Sushi' を知っている

その理由は、この魂にこそ
支えられているのだろう

with pleasure

2013/02/07

今日が最後の上映というので
2度めのSkyfallを観に行く
22時30分スタートのシネマに
お客は自分一人だけ

破壊と再構築
ポストモダンな007

半世紀という時間をかけて
一周りして戻ってきた
最後のセリフが
ぐっとくる

聴く夢

2013/02/04

不思議なことに
朝起きたら頭のなかで
聴いたことのない
メロディーが流れている

しばらく鳴っていたのだけれど
朝の雑事をする間に
忘れてしまった

あれは音の夢だったのだろうか

漂流

2013/02/02

Life of Pi を観る

受け入れ難い
世界の不条理さを
救うための物語

小さな救命ボートで
果てしない海を漂い続ける
シンプルな狂気と
美しさの意味