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初めての季節
2012/11/01
すっかり秋だと思っていたら
もう冬になっていようだった
白い息を吐きながら
図書館の前の公園を歩く
黄葉と落葉はほとんど同時にやってきて
緑の芝生は、ひととき黄色い絨毯になる
この国で初めて迎える季節が
もうじき一巡りする
霧中
2012/10/23
週末に予約しておいた映画にも行かず
なんとか最初のessayを
書き上げた
BGMはワーグナーのワルキューレ
3回ぐらいはローテーションした気がする
文献を読むのも苦労するが
書いて形にするのも苦労する
考えるのだけは
それほど大変でもないのが
救いではある
次の週末は、リラックスして
ジークフリートを聴くことにしよう
いずこも同じ秋の夕暮
2012/10/07
気持よく晴れた日曜日
澄み切った空気と
金色の太陽
こんな街の景色を見るのははじめてだ
10年以上前に訪れて以来
慣れ親しんだ場所と思っていたけれど
この季節に、この街にいたことは
今までに無かった
初めての秋の空気
Looper
2012/10/03
ラストシーンの意味が
ジワジワと効いてくる
こんなに鮮やかな形で
大きな解答を突きつけられたのは
久しぶりな気がする
世界という客体と
自分という主体が
交錯する瞬間
Anthropological Theory
2012/09/25
イントロダクションの
1週間が明けて
本格的な授業の始まりに
いきなりテキストは
マルクス、エンゲルスの共産党宣言
ヨーロッパに居るのだなと
実感に浸る余裕もなく
来週はマックス・ヴェーバー
429年
2012/09/17
連綿と続く歴史の
その中にひとりぽつんと
迷い込んでしまったような
気さえしてくるけれど
ここは、現在という
歴史の一番先っぽ
そこにいられるのも何かの縁だから
しばらくの間は
先頭集団を存分に楽しもう
入学式
2012/09/10
平易な道でなく
あえてリスクを取って
大きな目標を目指せと
学長は語った
およそ四半世紀前の
入学式のことは
ほとんど覚えていないけれど
今日のことはどうだろう
8月31日
2012/08/31
この夏2度目の徹夜をして
やっと小論文を提出した
そういえば今日は
夏休み最後の日
なんだかやっていることは
ずーっと前の
学生の時と変わりない
変わらなくてうれしいこともあれば
変わらなくて残念なこともある
知らないことの強さを少し羨む
2012/08/29
知れば知るほど
知らないことは増えてゆく
だからなんでも知っているということは
何も知らないのと同じ
夏の終わり
2012/08/27
一期一会の
演劇祭も終わろうとする日
突然に季節が変わって
夏の短さと
ありがたさを実感する
もっとあの太陽を
浴びておけばよかったなどと
せめて今のうちに
色々な出会いの
余韻をしばらく
楽しもう
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