おいしい串かつ
2011/10/26
おいしさというものは
食するモノの中だけに
存在するのではなくて
どこで、どんなふうに、誰と
食べているのか
それらもみな
おいしさを感じるために
大切なことなのだと思いながら
ジャンジャン横丁で串かつを食べる
Steve Jobs
2011/10/06
お陰さまで
最初にMacを使い始めてから
20年が経ちました
これから
Steve Jobsのいない世界は
少し寂しくなる気もするけれど
Steve Jobsの想像した未来を
生きることは出来るかもしれません
感謝と共に
世界の中心の白菜と肉片
2011/10/03
故宮博物院で
それらを一体どう鑑賞すればいいのか
いまひとつ僕にはよくわからなかったけれど
中国がどういう国なのか
今までにない見方が
すこしできるようになったかもしれない
オリジナルに比べて劣化するコピーもあれば
オリジナルよりもよく出来たコピーもある
何代ものコピーを経て
進化してゆく素材や技術や道具もある
学ぶという言葉は
まねぶ(まねをする)という言葉に
由来すると聞いたことがあるけれど
誰だって最初から最高のものを
作れるわけではないのだ。
そういえば、人間だって
DNAのコピーから作られているのだから
さよならデュー
2011/09/03
去る者よりも、去られるもののほうが
ずっと寂しい思いをする
デューは知っていただろうか
いつもより少し早めの今日の散歩が
僕と歩く最後の散歩だということを
ぺろぺろと僕の顔を舐めながら
お互いに目を合わせたのが最後の瞬間だということを
日本とパキスタンはとても遠くて
ここでの仕事が終わった僕は
明日からはもうこの家には戻ってこないということを
できれば、知っていてほしいと思う
悲しいけれどもうお互いに会うことはないのだ
少し遠慮したり、臆病だったりすることもあったけれど
犬は決して嘘をつかない
そのきれいな瞳で、今まで僕のめんどうを見てくれて
どうもありがとう、そしてさようなら
今生
2011/09/02
今日、庭師が食事をおごってくれた
明日が僕のパキスタン最後の日なので
庭の手入れの仕事をしている高級レストランに
つれていってくれるというのだ
僕は少し遠慮しながら
イチゴとバナナのスムージーと
フィッシュアンドチップスを食べた
彼はマンセラという地方の出身で
2005年には大きな地震の被害を受けた
最近ホンダのバイクを買った
中古で4万いくらかだったらしい
そして今月末には結婚するという
メールアドレスも持っていないし
連絡するにも携帯電話ぐらいで
Keep in touch は簡単なことじゃあない
日本とパキスタンは遠い
別れというのはこういうものなのだ
明日借りていた家を出るので、彼の仕事も一つ減る
僕と彼で作った庭は、一年後、10年後
どうなっているだろうか
僕も彼も、きっとそれを見ることはないのだろう
断食月のおわり
2011/08/29
ラマダンの終わりは
新月を過ぎた月が
観測されるかどうかにかかっている
天文学的には
この細い月が見えるかどうかは
予測できそうなものだけれど
実際のところ
月は必ず
権威によって
観測されなくてはならない
観測されなければ
断食月が一日伸びる
どんな機材を使っているのか
少し気になる
最後の日曜日
2011/08/28
今日はいつもの日曜日のように
湘南BeachFMを聴く
イスラマバードで聴くのは、今日で最後なので
番組にメールを送る
程なくして、パーソナリティーが
僕の送ったメールを読む
「今日もいつも変わらぬ元気な放送をありがとう」
「そしてこれからもよろしく」
日曜日を過ごす場所は
あちこち変わって
放送は電波ではなくインターネットで送られて
僕はハガキでなくメールで便りを送るようになった
自分のメッセージが読まれるの聞きながら
変わらないラジオが、嬉しかった
そしてこれから過ごす日曜日のためにも
ずっと変わらないで欲しいと思った
ハリプールからの贈り物
2011/08/27
Haripurというイスラマバード北部の県を訪れる
プロジェクト最後の訪問
プロジェクトを離れる時というのは
出会った沢山の人と離れる時
握手をして、さよならの挨拶を交わしながら
毎度ながら思うことは
援助、支援という形で、一方的に何かを
贈与しているように見えても
こちらも、たくさんのものを贈られていて
そんな、形に見えず、表現できない
贈り物の大きさに、涙が出そうになる
このうれしさを、また贈り物にして
いつかどこかで誰かに贈りたいと思うのだった
帰り道、今年はじめての芒が
たくさんハイウェイに見えた
パキスタン、3度目の夏もやっと終わる