変わるときに変わらない変わりもの
2020/07/01
世の中は流行病のせいで
大きく変わってしまったという
けれど山の中での暮らしは
里に降りる回数が減ったぐらいで
驚くほど変わっていない
不条理
2020/04/11
不条理なことは度々起こる
それは2011年にも起こっていたことなのだ
それまでの日常がもう訪れなくなることに
耐えることは辛いかもしれないけれど
そんな状況を抱え込んで
新しい日々を始め、続けるという覚悟
そしてまた不条理なことは起こり
覚悟を決める日はやってくる
春分
2020/03/20
降る雪を眺めながら
雨だれの音を聴く
冬の景色に
春の音
interdisciplinary
2020/03/13
科学といっても
社会科学もあれば自然科学もある
そのなかには医学もあれば化学の社会学も、政治学も、経済学もある
科学的視点というのは
いったいなんだろう
カメラを止めて
2020/03/11
ラジオで黙祷が中継されていた
サイレンの音とともに
一人静かに目を瞑ったら
シャッター音が響き渡るのが聴こえてきて
悲しい気持ちになった
アンクルサムのサンドイッチを
2020/02/13
25年ぶりに食べる
お店の外観はよく覚えていないけれど
木の座席とテーブルは変わっていなかった
目を閉じると25年前の自分に会いそうな
春のような冬の日
こどもの日に
2018/05/05
現実のなかの虚構、虚構の中の現実
縦横無尽に世界をモンタージュする
レディープレーヤー1
物語のタペストリーを引き破って
立ち現れる強大な物語に揺さぶられる
アベンジャーズインフィニティーウォー
どちらからもそれぞれに
大きなものを叩きつけられた
炉端
2018/02/25
声にも立ち振る舞いにも年季が宿るマスターは
初めて訪れてから20年を超えた今でも
同じような調子で料理を勧める
雰囲気や料理もよいけれど
この店はお客が面白い
あんなに笑っていたのに
何が面白かったのか思い出せない帰り道
苗場
2018/02/10
リフトに並ぶ人の列を見て
まるでバブルの頃みたいだと思う
それは泡のように消えたけれど
振り返れる瞬間があることを
幸せに感じる
そして長い時代を経て
今も聞こえてくる音
降る雪はいつか溶けて消えるけれど
つかの間永遠を閉じ込めていられる
氷点下の世界