転倒
2005/01/06
原付バイクで転んでしまった
家まであと5秒ぐらいのところ
雨で濡れた下り坂でコントロールをなくしたのだ
服は破れるし
あっちこっち擦りむくし
それでもバイクを立て直し
鞄を拾い、家に戻り
小指を見ると、あり得ない向きに曲がっていて
とてもびっくりした
こりゃあ嫌だと思って、戻したら
「くきっ」と音がしてもとの形に戻って
もっとびっくりした
刻まれる時間
2005/01/02
このお正月独特の
冬の日差しと、冷たくてひっそりと澄んだ空気は
これまでにあった、いろいろな新年の記憶を
思い出させてくれる
そして今年も、この澄んだ光の中に
今日の記憶が刻み込まれる
あまりにも静かで,穏やかに見えた
元旦の相模湾
Happy New Year
2005/01/01
雨は雪に変わって
雪はいつの間にか上がった
暦の変わる瞬間は、車の運転中
海沿いのトンネルを抜けた瞬間だった
打ち寄せる波が夜の海に白く見える
広がってきた雲間から月が見える
「おめでとうございます」と、盛り上がる0時のラジオ
Happyな人もいれば
Happyからは遠い人もいる
けれどHappyを望まない人はいないのだから
今しか言えないHappy New Year
今年が良い年でありますように
大晦日の窓拭き
2004/12/31
大晦日、朝から窓拭きをした
窓の向こうにどんな景色が見えるかで
窓拭きのモチベーションって変わるな、と思いながら
以前住んでいた家の
大きな窓と、中東の町の風景を思い出しながら
今の家の、雑草に覆われた小さな庭を見ながら
拭きはじめて気がついたのだけれど
雨風にさらされた外側よりも
内側の方が、意外に汚れている
外ばかり拭き取ることを気にしていたのだけれど
汚れは内側からもしっかりついていたのだった
そして、窓拭きが終わる頃
雨が降りはじめて
いつか雨は雪に変わった
アドレス帳
2004/12/30
古い手帳を探していたら
それよりもっと古いアドレス帳が出てきた
15年以上前の友達の住所
書かれているほぼ全ての住所には
もうその人たちはいない
自分で書いた名前と住所もあれば
相手に書いてもらったものもある
15年後の僕のアドレス帳には
一体誰が載っているのだろう
いつもの挨拶
2004/12/28
スーパーで買う食料品の
賞味期限が来年の日付になってくると
もう年の瀬だなと感じる
今日は今年最後のプール
泳いでいる人も、監視員も
少しだけいつもと違う気がした
プールから上がって交わす
「ありがとうございました」
といういつもの挨拶も
今日だけの響きを含んでいる
冬のジャグジー
2004/12/27
近くにある日帰り温泉に行った
露天風呂、ジャグジーに入って
まん丸な冬の満月を見上げる
勢いよく吹き出すジェットの音
空に向かって立ち上る湯煙
ぷかぷかしながら、見上げる冬の夜空
ちょっとした宇宙旅行
ディスコミュニケーション
2004/12/21
思っているだけでは伝わらないし
言葉にしたからといって伝わるわけでもない
思っていなくても伝わるかもしれないし
言葉にしなくても伝わるかもしれない
その狭量な自分の枠から一歩踏み出せば
伝える方法はいくらでもあるのかもしれない
冬のお気に入り
2004/12/18
他の誰かと食べるために作られる
そういう特別な料理がいくつかある
なつかしいお客さんがあって
久しぶりに作るビーフシチュー
そういえば二年ぐらい作っていなかった
砂漠の国で食べたり
雪の中のキャンプで作ったこともあった
ワインと、肉の種類によって
味は微妙に変わるような気がする
けれど一番おいしくなる要因は
それを誰かと一緒に食べているという
場の力だ