そうだ、この手でいこう!(前編)aurora

2000/12/24 北欧ドライブ

「天文ガイド」という一部では有名な雑誌で、皆既日食、流星雨、オーロラ、の3つが、死ぬまでに一度は見てみたい天文現象だ、というような記事があった。なんと、ジョル天は、このうちの二つ(皆既日食、流星雨)をいきなり、1999年に見てしまっているではないか!

残るは一つオーロラである。
といってもロールプレイングゲームじゃあないんだから、この3つをクリアーして、恐怖の大魔王と戦えるとか、マフトゥーハの鍵が手に入るとか、天文最強コンテンツがそろうとか、そういうものではないのだが、実はオーロラは皆既日食よりも、流星雨よりもずっと前から、見たい見たいと思っていたのだった。「アラスカで、オーロラの空のもとナイタースキーを楽しむ」というのが積年の願いなのだったが、最近はなぜか「アラスカ」が「グリーンランド」へ、「ナイタースキー」が「犬ぞり」へと、よりプリミティブな方向へ変わったものの(会員2はなぜか「トナカイぞり」らしい)オーロラを見たいという思いはつのるばかり、そして前述の記事を読んで、ジョル天、次はオーロラだっ、と一気に盛り上がったのであった。

アンマンを飛び立ち、ドイツ、フランクフルトへ、空港でレンタカーで借りて一路北へと向かう。ヨーロッパでオーロラを見るなら、北欧のヘルシンキとかオスロとかへ行き、そこから国内線で北へ向かえばいいのだが、そこはまあ、いろいろと所用があってこうなった、ドイツの北は、デンマーク、そしてその北はノルウェー、スウェーデン、フィンランド。サンタクロース、ムーミン、そしてビッケのふるさとである。だがジョル天の目的地は、はるか北の地「グリーンランド」12/24にコペンハーゲン(デンマーク)に入り、いきなり空港にいってグリーンランド行きの便を探す。綿密な情報収集を行った上でこういういきあたりばったりな旅行をしてしまうのがジョル天である。今回は春に予定?されている本アタックのための予備調査隊(一人だが)なので気楽なのだ。

事前に集めた情報では、グリーンランドは晴天率が高く、北の割には暖かい(といっても充分寒いが)、なにより田舎で、人を寄せつけないような大自然しかない。40度ではなくマイナス40度、砂漠でなくて大氷原、ラクダのかわりに犬ぞり、まったく正反対のようでいて実は近い、世界の果て、Edge of the World の一端を見たいと期待は高まるのだった。

でもさすがEdge of the World 、飛行機の便がそう都合良くあるわけなかったので、クリスマス二泊三日のグリーンランドの旅はもろくも消えさる(もろすぎるぞ)、なにしにコペンハーゲン空港までいったんだか、、そんなわけで、しょうがないからコペンハーゲン市内を車でぐりぐり回って、なんとかイルムスっていうインテリアの店でソファーに座っていい気分になり、アンデルセンという名のカフェで魚のサンドイッチを食べてコーヒーを飲んだ後、北へ行こうと決めて、スウェーデン行きのフェリーに乗った。そこからオスロ(ノルウェーの首都)とストックホルム(スウェーデンの首都)はほとんど同じ距離(4〜500km)あっという間に北欧の日は暮れて、暗い夜道を霧の中、どっちでもよかったのだけれど、結局ストックホルムへと車を走らせる、北緯59度あたりにあるストックホルムに行く途中、見上げた星空の、なんと北極星の高いこと、そして沈まないこと座のベガ、見なれた星が見なれない見え方をしていることにとっても感動。でも本命のオーロラは見えませんでした。(このあたりの緯度ではふつうは見えない)次の日はストックホルムからコペンハーゲンに戻り、また次の日ドイツに戻ってきた。走行距離は3000kmを越えて、グリーンランドの旅改め北欧ドライブは終わりました。

そうだこの手でいこう!
フランクフルト発成田行きは13時30分発、シベリア上空を夜間飛行して、翌朝日本に着く便。実はこの機内でオーロラが見れるのではないかと密かな期待。主にオーロラが出現する時間である日没後から夜半前にかけて、そして北極圏あたりのオーロラ帯と呼ばれる帯域をこの飛行機は見事に通過していくのです!カウンターで窓際の席を指定して、飛行機は離陸、そして曇る心配のない10000m上空、雲の上、サンタのチョコのおまけがついた機内食を食べ終えて、日は沈み、就寝の時間、機内の電気は消え、アテンダントが窓のシェードを下ろしていき、みんなが眠りに落ちるころ。ひとり窓のシェードを15分置きに開けては外を見ていました。
そしてついにオーロラを見ることができたのです。
後編に続く

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