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2003.3.31
ブッシュによろしく

「ブッシュによろしく」と声をかけられた。
いつもの洗車場、ほとんどがエジプトからの出稼ぎ労働者。
4、5人で一台の車を洗って、掃除機をかけて、乾拭きして、
450円でぴかぴかにしてくれる。
なじみの顔ばかり、いつもの挨拶、けれどその一言で、
急に突き放された気持ちがした。
僕の生まれた国は、アメリカをはっきりと支持しているのだ。

2003.3.30
観測者

イギリスの、Observer誌のWebサイトがとても興味深い。
戦争関連の記事を拾い読みしているのだけれど
写真は一枚も掲載されてない。
文章を読みながら、ゆっくりと自分の頭でいろいろと考える
映像ばかりが溢れる中で、忘れていた頭の使い方を思い出した。

2003.3.29
4500

米国がイラクで放送しているinformation Radio を聞いてみた。
西洋音階に合わせて、アラビア語で歌う、
ポップスのような音楽が聞こえてきた
これを聞いたイラクの人たちが
「自分達は解放されて自由になるんだ」と思い至るにはほど遠い
それは、あまりにも薄っぺらに聞こえる音楽だった。

2003.3.28
Blue

雲一つない、深くて、青い空のアンマン。
そんな空一面の青を、見上げていたら
なんだかとても悲しくなった。
かの地でも、こんなに悲しい青い空が見えているのだろうか。
他に、誰が、どんな気持ちで、
この空を見上げているのだろうか。

2003.3.27
世界を理解するために

当たり前のことだけれど、世界中にテレビがあって
沢山の人が衛星放送を見ている。
このところアンマンでも、休日はテレビにかじりついて、
テレビで報道される戦争を見ている家族が多い。
かつての日本のように、テレビは家族の中心にある。
この戦争が、米国が、イラクが、どう映っているのだろうか。
世界を理解するのには、
情報ではなく、想像力が必要だ。

2003.3.26
from my window

玄関にオノヨーコさんのポスターを貼った
ジョンレノンとテーブルを挟んで座って語らう写真
満ち足りた表情 窓から果てしなく広がる景色
昨年末の日本のギャラリーで開催した個展のポスター
添えられた文章にじっと魅せられた

a dream you dream alone is a only dream
a dream you dream together is reality

世界の皆が平和を夢見れば、それは現実となる筈なのだ
一人の人を夢見るように 愛するように

2003.3.25
ロレンス

たとえ兄弟で、けんかをしていても、
親戚とのけんかには、その兄弟どうしが力を合わせる
他人とのけんかには、仲の悪い兄弟も、親戚も、みんなで力を合わせる
それがアラブなんだとジョルダン人が言った。
西欧とアラブのことを考える時、
よく、映画「アラビアのロレンス」を思い出す。
ロレンスがアラブで見たのは、その血ではなかったのか

2003.3.24
強さ

ドイツにいるイラク人の友達に電話をかけてみた。
「ドイツには戦争はないよ」なんて以外に明るい答え
一昨日、バグダッドの家族に連絡したら、無事だったとのこと。
仕事はなかなか大変だと、これは戦争の前からだけど
話をして、どこか「強さ」のようなものを感じた。
きっと、強くなければ、生きてゆけないのだ。
隣の国では戦争が続いている。

2003.3.23
6175

今日は、イラクのラジオ放送が聴けました。
コーランが流れていました。
夜になって、もう一度聴こうと思って、周波数を合わせると
懐かしくも、楽しげな音楽。
よく耳を澄ませて聴いてみると、
美空ひばりの「お祭りマンボ」でした。
ラジオ日本と同じ周波数だったので
そちらを受信していたようです。

2003.3.22
雑音

テレビを持っていないので、戦争のニュースはBBCの
インターネットストリーミング中継を主に見ています。
昨晩は、ラジオの電源を入れました。
イラクからのラジオ放送を聴こうと思ったのです。
今まさに戦争が起こっている国のラジオを直接聞きたかったのです。
以前に聴いたイラクの放送局に周波数を合わせてみましたが
もう何も聞こえませんでした。
雑音の中、周波数をゆっくりと変えながら
短波から、中波まで、何度も何度も、イラクからの放送を探しました。
世界のいろいろな音が聞こえてきます、

けれどイラクからは何も聞こえません。

燃えるバグダットの街を、インターネット中継で見るよりも
恐ろしさを感じた、雑音でした。

2003.3.20
小さな日々

そしてとうとう、隣の国で戦争が始まりました。
ほんとうにいろいろなことを残念に思います。

職場のテレビを見ていたら、ミサイルの発射される
未明の映像が、何度も何度も繰り返し流れていました。
ミサイル発射ボタンを押す「手」
着弾点の火柱の下で黒こげに燃え尽きる「身体」
やり場のない、憤りや、悲しさばかりしか生まれてこなくても。
音と映像に麻痺させられないように、
その向こうにあるものを想像しなくてはいけないと思いました。

実際に戦争が起こっているということで、
身の回りのことが少しずつ変化します。
今日は早速、週末に予定していた、仕事の予定が延期になって、
実のところとても迷惑しているのです。

始まってしまってから、希望を持つのは、さらに難しいことかもしれません。
僕は隣の国に住んでいる、とるに足らない一人の外国人ですが
そんな個人の小さなこころにすら、大きな影を落とす戦争を
本当に憎みたいと思います。

そして、自分の発する言葉や行動が、
戦争や世界とどう繋がっているのか考えながら
自分に課せられた小さな日々を送って行こうと思います。


2003.3.19
再開

しばらく更新を休んでいて申し訳ありませんでした。
書けなかったのか、書かなかったのか、よく分からなくなってしまいましたが
もう一度、今日から、書きはじめようと思います。

今日のアンマンは朝から、強風、雨、あられ、雪、そして夕方には青空と、
めまぐるしい天気の一日でした。

仕事はいつもどおり続けていますが
どこに、誰といても、どうかすると話題はすぐに
隣の国で始まろうとしている戦争の話になります。

窓の外、突然あられがバラバラと降りはじめたのを
フィールドから帰ってきた現地のドライバーと一緒に眺めていたら
「明日から戦争だよ、ラジオでいってたよ」と彼が教えてくれました。

2003.3.4
活字

先週からずっと読書づいていた。
インターネットでWEBを閲覧していても、
読書のように違う世界へ連れて行ってくれる充実感はなかなかないので
つくづく「本、物語」というのはすごいメディアだなあと思った。
今、読むものが手もとになくて、なんだか寂しく感じている。

2003.3.3
昔の曲

15年ぐらい前に、よく聴いていた曲を
12年ぶりぐらいに、聴いたら
その頃の自分が、その曲と一緒に戻ってきた。
今の自分も、そんなふうにいつか、
未来に引き戻されるのだろうか。

2003.3.2
乗り物

死海沿いの道路、現場への往復時間2時間と少しを
今日は読書の時間に当てた。
乗り物は違えども、どこかに運ばれているという共通感覚。
三菱のバンと、猫の出てくる小説が、どこかに自分を運んでゆく。
ふと目を上げると窓の外に、薄靄に煙った青緑の死海が見えた。

2003.3.1
見えなくても、そこに在るもの

アッバス・キアロスタミの映画「風が吹くまま」を
静かに、浸るように、観た。
見えないものに、目をこらすことを 忘れてはいけないと思った。
見えなくても、そこに在るものは、たくさんある。


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