オーロラおじさんのことLEO

オーロラを見に行った、スェーデンキルナ、アビスコ自然公園のユースホステルで、1人の日本人と会いました。その方はストックホルムに在住しているとのことでした。
「いやあ、数日前に太陽面で大きな爆発があったもので、15時間、車を飛ばして、ここまで来ました」といきなりのオーロラに対する並々ならぬ情熱に、お気楽ジョル天メンバーは仰天したのでした。15時間といえば、日本から飛行機を乗り継いで同じぐらいかかるなあと思いつつ、話を聞きました。
名前を聞くのを忘れてしまったので、ここではその御仁を「おじさん」と呼びます。

爆発から三日後
オーロラは太陽面のフレア(爆発)による電荷を帯びた電子が、地球に到達して、それが北極と南極の磁場につかまり、地球の磁気と反応して光を発し、起こる現象です。「おじさん」によるとその爆発が太陽から地球に届くまでにおよそ三日ぐらいかかるらしいです。だから太陽面で大きな爆発が観測されたらその三日後には活発なオーロラが見られる可能性が高いということになります。
「おじさん」はしょっちゅうインターネットを使って太陽面の爆発をチェックしているらしく、大きな爆発があると、すかさずこのアビスコまでやってくるそうです。

機材は、、
「おじさん」はいつもスチルカメラ2台とビデオカメラを1台使用しているとのことです。どんなカメラかは聞くのを忘れました。フィルムはKodakのネガを使っているといってました。動きも早いので露出時間はあまり長くしないと聞いて、ジョル天もちょっと作戦を変えました。

赤いの、、
「おじさん」はオーロラの活動の活発さは数字であらわされ、昨日のは「100」ぐらいだとか、普段はせいぜい「30」ぐらいだとか言ってましたが、そもそもそんなにしょっちゅうオーロラを見ているわけでもないので数字を言われてもよくわかりませんでした。普段は緑や黄色のものが多いのですが、活動が活発になると、いろんな色のオーロラがあらわれるそうで、中でも赤いものはとてもめずらしいそうです。 また、目に見えなくてもフィルムに写すと色が写っている場合があるということで、これまたジョル天は作戦を変更することになりました。

予測
「おじさん」はオーロラをずいぶん見なれているようで、経験を積めば次に空のどこにオーロラがあらわれるのかだいたいわかるようになると言ってました。これはすごいスキルだと思います。でもジョル天が1日目に遭遇したオーロラはかなり活発なもので、空のどこを見てもオーロラが見えていました。そのことを話すと、その「すごい」オーロラの1日後にやって来たおじさんはすこし残念そうでした。こちらは何もしらずやって来てにそんな凄いオーロラが見れたのでちょっと嬉しくなりましたが、おじさんには悪いなあという気も少ししました。

活動時間
オーロラはだいたい3時間ほどで消えるそうです。夕方、暗くなってから始まって、夜半前頃に終わるパターンが多いようです。けれども夜中を過ぎて、突然凄いのが現れることもたまにあると言っていました。そんな話を聞いたにも関わらず、その日はノルウェーフィヨルドドライブと国境スキーで疲れてしまったので、ジョル天は窓からちらりと地味目のオーロラが見えたにもかかわらず、まあ、いいか、昨晩は凄いの見たし、明晩もあるし、とぐっすり眠ってしまいました。次の朝、おじさんに、「昨晩はどうでしたか」と訪ねたら、それほど活発なオーロラは見られなかったようで、少し悲しそうでした。

日本人をもっと呼ぶ
「おじさん」は宿泊していたアビスコユースホステルの偉い人と知り合いらしく、ユースホステルの管理しているスキー場のてっぺんにある山小屋に夜間宿泊できるように交渉してる、、と言っていました。オーロラを見る条件が素晴らしいにもかかわらず、そこまでやってくる日本人は少ないので、もっとオーロラ目的の日本人を呼ぶために、リフトで上がった山の上からオーロラが見れるようにしたいということです。「おじさん」はここ(アビスコ)には、他に(楽しみが)なんにもないからねえ、、なんて言ってましたが、ノルウェーへのドライブやダウンヒルスキーにクロスカントリースキーと、オーロラ以外のアクティビティーを堪能していたジョル天は、こんなに遊べるのに何もないって、、、と不思議に思ったのでした。ちなみにそこに来ているヨーロッパの人たちでオーロラがメインの目的の人はほとんどいません。みんなクロスカントリースキーや氷結した湖での釣りやスノーモービル、アイスクライミングなどなど、自然の中で冬を楽しみに訪れているのでした。確かに、オーロラがなくても充分に楽しめると思います。

いい写真は取れたのでしょうか、、
いよいよジョル天の観測最終日、初日とは場所を変え、宿泊場所からの近さと街灯のない開けたところとして昼間チェックしていた付近に車で向かいました。おじさんはどんな場所で観測してるんだろうなんていいながら到着すると、あわてて車の前を横切りカメラに駆け寄るおじさんの姿、、ごめんなさい、きっと露出中だったおじさんのオーロラ写真をヘッドライトで一枚だめにしてしまいました。日本で天体撮影ならまだしも、こんな場所で、しかも日本人どうし撮影場所が重なるなんて、、、と思いながら、すみませんとあやまって、すごすごと1日目と同じ撮影場所にジョル天は向かったのでした。

オーロラおじさん、見てたら連絡下さい。

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