観測地

綿密な下調べと、大胆な行動のジョル天メンバーが、オーロラ観測地に選んだのは、SwedenのKirunaという町からさらに100kmほど、ノルウェー方向に入った場所、Abisko自然公園という場所でした。(N 68'20"/E 18'52")

オーロラを見るにはまず「オーロラオーバル」と呼ばれる、北極圏あたりに楕円形に広がるエリアに行く必要があります。このエリアに入っていればオーロラを見られる確率は高くなります。有名どころではカナダのイエローナイフやアラスカなどもこのエリアに入っています。

次にオーロラを見るには夜でないといけません、当たり前です。ところが北極圏では、毎日当たり前に夜がやってこない時期があります。太陽がまったく沈まない夏至の頃は当然ながら、ずーっと夜のはずの 冬至の頃も実は薄明が24時間続くために、夜空は完全に暗くならず、オーロラを見るのには適しません。(図解1)

Abiskoを訪れたのは春分の頃で、太陽は6時頃沈みますが、なんとその後9時頃まで薄明が続きます。なかなか完全に暗くならないのです。これは太陽の沈んでゆく角度が浅いために起こります。(図解2)

もう一つ、当然の事ながら晴れていないとオーロラは見れません。オーロラは雲よりもずっと上空で起こっている現象だからです。乾燥していて雲が出ず、天気が安定していることはとても大事な条件です。なんとAbiskoの年間降水量は約300mm程度、Swedenでもっとも乾燥した地域なのです。(ちなみに東京は年間1500mmぐらい)。「おーろらおじさん」はこの地域は川や湖がなければ、砂漠になっていた、と言っていましたが、なるほど、昼でも気温マイナス10度以下、一度降った雪は春まで溶けない状態のはずなのに、積雪はほんの30cmぐらいで、道路にも雪はありませんでした(もちろんアイスバーンでしたけど)

確かにAbiskoについてから、毎日雲一つない晴天が続き、天候という点では、まるでジョルダンにいるのと同じぐらい、心配の種にはなりませんでした。

滞在していたAbisko自然公園ユースホステルの周りには、人家はおろか、街灯等もまったくなく、まさに原野のど真ん中に、道路と鉄道が通り、鉄道の駅とユースホステルがぽつんとあるという、それだけの場所です。もうこれは、オーロラを見てくれといわんばかりの場所ではないですか!、、

しかも道路を挟んでユースの反対側にはスキー場、その近辺は、無数のクロスカントリースキーのコース、ユースの面している湖がわでは、釣りや、スノーモービルなど、(もちろん湖はかっちりと凍結)いくらでも遊べてしまいます。Kirunaの町まで行けば冬季のみオープンの有名な氷だけで作られたアイスホテル、ヨーロッパ有数の鉄鉱山(鉱山ツアーは面白そうでした)、犬ぞりのツアーもあったり、まったく飽きることは無さそうです。でも日本人としてはやっぱり温泉がほしかったな、、(サウナはユースについてたけど)

これだけあれば、オーロラなしで1週間滞在していてもぜんぜん楽しめます。(実際ヨーロッパの観光客のひとたちはオーロラなんかほとんど気にしてませんでした、、)ノルウェー国境までは車で1時間、そこから2、30分有名なフィヨルド地形の先に、北海の港町Narvikがあります。
Narvikまでは鉄道でも同じぐらいでいけます。この鉄道を使って、KIRUNAの鉄鉱石をNarvikの港から積み出すので、Narvikには大きな積み出しの駅があります。バルト海(ボスニア湾)側にもルリアという港町がありますが、こちらは冬の間、海は真っ白、氷結しています。ノルウェー側の北海は、暖流のおかげで凍りません。飛行機から、ボスニア湾の氷結した真っ白な海を見た時、白い砂漠みたいで、これはかなり感動しました、。そして、Abisukoから国境越えのドライブでノルウェーのフィヨルド地形と北極圏にありながらも青々とした凍らない北海を見た時もこれまた感動でした。

ちなみにジョル天はKIRUNAの空港についた日から、帰る日までレンタカーを借りてまして、おかげでノルウェーまで行って魚料理を食べたり、国境越えスキーに出かけたり、トナカイ肉の買出しにスーパーに行ったり、とーっても寒い夜の移動手段や避難場所にしたりと、大助かりでした。なんだかオーロラ以外にいっぱい楽しいことをしてたのですが、、それはまた別の時に、別の場所で、、、

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